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「グローバル化第3の波に備えよ」マンデルソン元欧州委員
(以下引用)
英国きっての政策通でブレア、ブラウン両労働党政権のブレーン役を務めたマンデルソン元欧州委員(通商担当)が今月、「グローバリゼーション第3の波に備えよ」という報告書を発表した。世界経済の多極化による第3の波は2010年から始まったとし、30年までの年平均成長率を3.9%と予測。格差や失業が拡大して保護主義が強まる恐れがあるため、痛みを和らげる政策が必要という。
マンデルソン氏と英公共政策研究所(IPPR)がまとめた。報告書はグローバリゼーションを、輸送・通信コストの大幅な低下が商品・サービス・資本・知識の移動と経済成長を加速させ、国や人を一体化させる現象と定義した。
第1の波は英国が牽引(けんいん)役で産業革命と帝国主義が台頭した1870年ごろに始まり、世界経済は第一次大戦前の1913年までに平均2.7%の成長を記録。第2の波は米国が主導し、第二次大戦後の47年から石油危機が起きる73年までに平均5%の成長を達成している。
2008年の金融危機でグローバリゼーションは停滞したとの見方が一般的だったが、報告書によると、第3の波はまさに始まったばかりで、技術革新や輸送・通信コストの低下による世界の一体化は停滞することはないと分析する。
新興国の成長は著しく、01~10年に、日米欧など先進7カ国(G7)と、中国やインド、ロシア、ブラジルなど新興8カ国が新たに生み出した国内総生産(GDP)は同額になった。報告書は第3の波の特徴について第1、2の波とは異なり、成長は多極的に起きると指摘する。
日米欧など先進国では金融危機で政府債務が拡大、低成長が影を落とすが、マンデルソン氏は「先進国はより付加価値の高い商品やサービスを開発して世界中で高まる需要をくみ取る必要がある。先進国と新興国をうまくつなぐことが成功のカギだ」と説く。
一方、中流階級の割合は欧米では全体の90%を超えるのに対し南米では31%、アジアでは13%。報告書は「BRICと呼ばれる新興4カ国で格差解消に努めるのは貧困家庭に家族基金を支給するブラジルだけ。拡大する格差や失業問題を放置すれば、新興国だけでなく先進国でも1930年代のように保護主義が強まり、第3の波を妨げることになる」と、対策を急ぐよう提言している。